著者:
西日本女性文学研究会 (編集), 狩野 啓子 (監修), 谷口 絹枝 (監修), 西 荘保 (監修)
商品コード:
978-4865610642
サイズ:
25.7 x 18.2 x 1 cm
ページ数:
175
発売日:
2016/2/20
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日本の近現代文学を研究する場で、課題の一つが「情報の格差」である。メディア環境の変化によって漸次改善されてきているとはいえ、さまざまな差別の構造によってもたらされる社会的な格差とも連動して、まだ未解決なところも多々ある。
中でも、男性の書いた文学に比べて女性の文学に目が向きにくかったことについては、近年大きく取り上げられるようになった。男性の文学を本流と位置付ける文学史の中で、偏った扱いを受けてきたことが主な原因だったが、国連婦人の十年(1976-1985)を契機とする社会の大きな影響を受けて、文学研究の場でも新たな動きが出ている。埋もれていた女性文学に光を当てたり、評価の基準自体を見直そうという機運もある。
しかしながら、言うまでもなく、女性文学研究や文学史の見直しはまだその緒についたばかりである。基礎となるデータが非常に不備なため、研究や評価以前の段階で、世に知られていないままの女性文学がかなり埋もれているのが実情である。一部の地方では知られていても、一般的な情報としては共有されていないケースも少なくない。
そのようなアンバランスな状況を少しでも改善したいという意図により、2007年5月に西日本地域の有志により「西日本女性文学研究会」を発足した。この研究会の目的は、会員が西日本ゆかりの女性文学者とその作品を調査し、その調査結果を一般に公開することである。
本書はその調査結果をまとめたもので、西日本(九州・沖縄、山口県)にゆかりのある近代以降の女性文学者、289名の経歴とその作品を紹介する。